2022.12.22

デジタル乗船券・乗車券の実証事業を尾道エリアで開始 ~公共交通を使った観光客の回遊性向上と集客施策最適化を検証~

RYDE株式会社(本社: 東京都渋谷区 代表取締役: 杉﨑正哉、以下「RYDE」)と株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、広島県尾道市を中心としたエリア(以下「尾道エリア」)で運行するバス路線、航路およびタクシーのデジタルトランスフォーメーションを促進する「しまなみデジタルPASSプロジェクト」(以下「本プロジェクト」)を開始します。尾道エリアにおいて、島嶼部への観光客の新たな人流を生み出すとともに、観光客の回遊性を高めることが目的です。

なお、本プロジェクトは、尾道市、日本総研および株式会社三井住友銀行が2021年3月25日に締結した連携協定(注1)に基づく取り組みの一環として行われるものです。

■背景

江戸時代に北前船の寄港地として栄えた尾道エリアには、当時の豪商が建立した大小の寺院が現在も多く残るなど見どころが豊富にあり、毎年一定規模の観光客を集めています。一方で、有名な観光施設は少ないものの瀬戸内海の豊かな自然などを誇る島嶼部へ足を運ぶ観光客はそれほど多くなく、観光行政の課題となってきました。

そこで、現地調査などから分析したところ、島嶼部の移動手段である航路・バスには、「航路・路線が複雑で、どれに乗ればいいのか分かりにくい」「乗船券・乗車券を現金でしか購入できない場合が多い」「バスでは事業者ごとに乗車券の購入方法が異なる」「当日の運行状況が分かりにくい」といった問題があることが明らかになりました。観光タクシーも、観光客自身が事業者や観光協会に主体的にアクセスしなければ観光プランの情報を得られにくいなど、いずれも一見の観光客にとって使い勝手がいいとはいえないという移動手段の不便さが、集客が振るわない主な原因の一つとなっていることが分かってきました。また、顧客情報を得る手段もほとんどないため、データに基づく効果的な集客施策は打ち出せていませんでした。

これらの問題は、デジタル技術の活用によって解決することが可能です。尾道エリアの航路事業者、バス事業者およびタクシー事業者(以下「地元交通事業者」)を対象としたヒアリングでも、デジタル技術を活用することによる移動手段の利便性向上や集客施策の最適化などについて、期待の声が多く寄せられました。

■本プロジェクトの概要

こうした状況を踏まえ、本プロジェクトでは、本プロジェクトの趣旨に賛同する地元交通事業者(以下「参加事業者」)と共にデジタル技術の活用を推進し、観光客が尾道エリアのさまざまな移動手段を簡単かつ便利に使いこなせる環境の整備に取り組みます。

参加事業者には、デジタル技術について、サービス提供ばかりでなく、経営手法として能動的に活用することへの理解を深めていただく機会を提供しながら本プロジェクトを拡大していきます。なお、本プロジェクトは観光を主眼として始動しますが、将来的には、地域住民の利便性向上にも役立つデジタルサービスとなるように整備を進める予定です。

■2022年度の活動

2022年度は、試験導入するモビリティプラットフォーム「RYDE PASS」(スマートフォン用アプリ)上でデジタル乗船券・乗車券を運用し、そこから得られる各種データを活用した集客施策の最適化について、効果検証(以下「本効果検証」)を実施します。

◇対象となる期間およびデジタル乗船券・乗車券

販売・利用期間: 2023年1月4日~3月31日(※)

※デジタル乗船券・乗車券の販売・利用期間は、参加事業者ごとに異なります。

販売予定の乗船券・乗車券一覧

各デジタル乗船券・乗車券の詳細情報は、こちらをご参照ください

◇本効果検証の概要

本効果検証で試験導入するRYDE PASSは、デジタル化された乗船券・乗車券をスマートフォン上で購入し、そのまま利用できるモビリティプラットフォームです。

RYDE PASSは、デジタル乗船券・乗車券を購入・利用する機能のほか、購入・利用される度に取引データ(注2)をデータベース上に蓄積する機能を持ちます。参加事業者は、そのデータを活用(注3)することで、例えば、利用者の居住地域(都道府県、市区町村、町名単位)や年代、そしてどの広告・メディアを見て購入したのかなどの利用者データを客観的に把握し、顧客分析やマーケティング活動に活用することが可能です。つまり、参加事業者は、従来のように経験や勘だけに頼ることなく、実際の効果を客観的に計測しながら、対象とする地域や年齢層、媒体などを明確に定めた、投資対効果の高い集客施策を策定できるようになります。

このようなRYDE PASSの特徴を踏まえて、本効果検証では、投資に対するコスト削減効果ではなく、集客数の増加効果に着目します。各参加事業者は、RYDE PASSの運用によって得られた各種データに基づいて集客施策を策定し、その上でその集客施策の効果を分析します。さらに、各参加事業者と共に、その分析結果を踏まえた集客施策の改善策を策定することも予定しています。

デジタル乗車券のイメージ

◇日本総研およびRYDEの役割

日本総研: 企画立案、市・事業者との調整、結果の分析

RYDE: 企画立案、RYDE PASSの導入、データ解析

注1: 尾道市の持続可能なまちづくりの推進に向け、共創可能な分野において連携して取り組むため、三者は「尾道市・株式会社三井住友銀行・株式会社日本総合研究所との持続可能なまちづくりにおける連携についての協定書」を締結しています。尾道市と三井住友銀行、日本総合研究所との「持続可能なまちづくり」における連携協定の締結について(2021年3月25日/ニュースリリース)

https://www.jri.co.jp/company/release/2021/0325-1/

注2: RYDE PASSが収集するデータは、利用者自身がアプリケーション上で登録した利用者個人に関するデータ(居住地域(都道府県単位、市区町村、町名単位)、年齢など)およびデジタル乗船券・乗車券の取引データに限ります。

注3: 参加事業者が活用できるデータは、匿名加工された個人データおよび取引データです。

RYDE
PASS App

RYDE PASSアプリのダウンロードはこちらから。

  • App Store
  • Google Play Store

App StoreはApple Inc.のサービスマークです。Android, Google Playは、Google Inc. の商標です。iOS商標は、米国Ciscoのライセンスに基づき使用されています。

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